ごあいさつ
朝日新聞文化財団は1992(平成4)年5月、文部大臣認可の財団法人として創設され、2011(平成23)年4月1日に内閣総理大臣による公益財団法人の認定を受け、より広く「公益」に資する団体として公正な事業運営に努めております。
設立当初は、朝日新聞社からの寄付10億円を基本財産として、「芸術活動(音楽・美術分野)への助成」と「朝日賞の贈呈」を通じ、わが国の文化・芸術・学術の発展に寄与してきました。
芸術活動への助成には現在、年300件を超える応募をいただき、選考委員会の審議を経て200件ほどの事業に助成を実施しています。
「朝日賞」は、朝日新聞社が1929(昭和4)年に設けた事業を継承したもので、受賞者の中からノーベル賞や文化勲章を受ける方々を多数輩出するなど、民間の最も重要な顕彰事業の一つとされています。
また、1998(平成10)年には、大阪・中之島のフェスティバルホールを舞台にした音楽祭「大阪国際フェスティバル」の運営を引き継ぎました。1958(昭和33)年に始まったこの音楽祭には、世界的な指揮者や管弦楽団などが数多く出演し、日本の音楽史に大きな足跡を残してきました。2013(平成25)年にリニューアル・オープンしたフェスティバルホールとともに、より地域に根ざした音楽イベントとして良質な公演をお届けしています。
さらに、2009(平成21)年には、朝日新聞社からテレビ朝日ホールディングス株式の寄贈を受け、「文化財保護活動への助成」を始めました。国宝「鳥獣人物戯画」といった著名な芸術品の修復をはじめ、東日本大震災や熊本地震などで被災した文化財の補修など、〝地域の宝〟を後世に守り伝える活動への支援にも取り組んでおります。
今後も、文化を通してより多くの方々が心の豊かさを実感できる社会の実現に向けて貢献していきたいと考えております。
公益財団法人 朝日新聞文化財団
理事長 中村史郎